久しぶりには発売を待ちわびた文庫なのですが、一度、一気読みした後、ちびちびと読み返して、やっぱり良い本だな、と思いました。
時代劇小説のとっかかりはこの本でした。
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昔は時代劇小説ってSFと同じくらいかみ砕けない部類の本だったのですが、ついに時代劇小説を読んで泣いたりしんみりする年齢になったかと思ったのは、
この神田職人えにし譚でした。
良い話よ・・・。
珍しいとされる女性の職人として生きている縫箔師の咲が主人公で、ざっくり言えば、その咲と長屋の面々との人情物語なのですが、
多分、現代に置き換えると40歳前後の独身女性が、仕事に打ち込んで生きている、
そして、
過去には、女弟子がいると知って、弥四朗にわざわざ咲に手伝わせないように言ってきた能役者もいた。
中略
店を構える仕立て屋がほとんど男なのは、能役者に限らず武士や商人が「男仕立て」を求めることが圧倒的に多いからだ。
という、女性、という性別で好奇な目で見られたり、不条理な思いをしていることも、内容に深く絡んでいます。
今回の表題作にもなっている松葉の想い出には、能役者の娘さんが婚約者のために半襟を頼むのですが、
能もまた女性は逆立ちしても舞台に立てない世界とのことで、
「女役者なんていつになるのかしら?娘の代では難しいですわね。孫娘かひ孫ーーーううん、玄孫の代くらいには・・・」
という一節があるのですが、
一応、辞任はしたけど、恐らく何一つ、何が問題だったか理解していない元会長の発言を思い出しました。
発言を撤回したから、辞任したから終了、が今までの日本でしたが、
今回は国際問題にまで発展したおかげで、やっと日本の女性蔑視の根深さが俎上に上がった気がします。
元会長はさすが驚異の低支持率ホルダーだな、という辞任会見だったし、
本来なら更迭から任を解かれるのが筋だったと思うけど、
もうそれはどうでもいい。
どれだけ微々たることでもいいので、これから社会にでる女性、生まれてくる女性のために、
不当な扱いには声をあげて、どんな微々たることでもいいのでやっていかねば、と思いました。
私も仕事面で、本当に微々たること、というか、それがこれからの女性のためになるかも、と思うのは妄想の域かもしれないけど(滝汗)
少しでも女性の地位向上に繋がりますように、ということをやろうと思ってます。
ある意味、タイムリーで読んでぼろぼろ泣いた、思い出深い一冊になりそうです。
そしてもう、続編が楽しみ。
多分、リンクからこの商品を買ってくださった方がいて、
今、電動を使っているのですが、電池が切れていると使いたい時に使えないし、
昔、親戚から海外土産で似たようなものをもらって、壊れるまで家族4人で使っていたwことを思い出し、私も買いました。
お買い上げありがとうございました&こういう商品があると知れてよかったです、ありがとうございました。
きっと、こういう些細な思い出が、晩年を支えるんだろうな、と言う気付きにもなりました。