久しぶりに即買いしたのですが、また女職人の時代劇小説です(汗)
続きが楽しみすぎるんだが(byブリアナギガンテ)と思った時代劇小説は、知野みさきさんの神田職人えしに譚なのですが、
自分がハンドメイドアクセサリーを作っていたので(過去形になりつつある)、あまり読む機会のなかった時代劇小説にばっちりはまって読むことができました。
上記の西條さんは、この文庫を見た時買おうかなと思ったものの、
立ち読みした時、何かもう一押し足りないと思ったのですが、
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要は女性の職人もの、に弱いんだな、と思います(ちょっと恥ずかしい)
なりたかったもんなぁ、自分の感性に従ってものを作り、生きるみたいな感じに(恥)
私はセブンルールを見て面白いと思ったことがなく、
以前、母が一緒に見ようと言って録画したものを見て、イライラして大喧嘩したことがあるくらい、相性が悪い番組のようです。
でも先日、テレビティーバーで見たバックを修復する女性は、ちょいイガリシノブ臭がしたけどw
気張ることもなく、自分の仕上がりに目を細めたり、見ていて楽しかったし羨ましかったです。
この文庫は2011年に文庫化された『恋細工』を新装版にあたり、このタイトルに改題したそうですが、
恋細工のままがよかったんじゃないかな、と思いました。
これまた女性は職人になれない、という制約の中で、凛という女の子がある意味、寛大で、思慮深い両親のお陰でこっそり ずる という形で細工を学び、
彼女も天才だけど、ベクトルの違う孤独な天才、時蔵と知り合い、技術を学び、恋を知る話です・・・。
かわいい話だな、からのうぅぅ・・・と泣ける展開の後、綺麗事じゃない希望を持たせる最後でまた泣きました。
全体的にかわいいお話だということで問題ないと思う。
凛と幼馴染の千賀という女性、2人とも肝が据わっているというか、真贋がある女性として描かれていて、それもよかった。
ミニマリズムという概念が流行って定着し、今もものを持たない方がといいという人達がいますが、
贅沢や華美なものの中から、芸術や文化が生まれる、ということも忘れないようにしなければ、と思いました。
あとは本当、閉塞感漂う時期だからこそ、ちゃんと食べてちゃんと寝て、欲しいものを買いw、おしゃれをすることを大切にしないと、とも思いました。
とにかく、着地のよいラストシーンで、凛の未来が読み手に委ねられているような、
いい本を読んだな、と思わせてくれる一冊です。
本当、時代劇小説読んで「ええわー」っつって泣く年齢になったんだなぁ。