本当は大阪旅行に行く新幹線の中で読みたかった本で、1か月以上、読むのを我慢していたのですが本日、読みました。
我慢できずに(?)毎日、パラパラと、マジでぱらぱらとちょっとだけ読む的な読書って初めてだったのですが、
そのせいでなんとなく薄ぼんやりとストーリーは分かっていたけど、 面白いというか超かわいらしい話でした。
ちょっと夢見がちな女の子ってロリ服好きという設定だよなぁチッと思っていたのですが、私がおばさん、ゲフン、長く生きたからかもしれない。
(アラフォーで元服狂いの人間からすると、20年ぐらい前のロリータは、かなり筋通った人間性の子が多かったと知っているもので)
児童文学を書いてらっしゃる著者なので、ディテールに齟齬はないけど、甘いと言っては甘い、けど、本当、かわいいお話しでした。
芸人一家という特殊な環境で育ったコノカが、自活と自立していく物語で、いわゆる、イマジナリーフレンドの発展版というか。
大阪から上京してきて、ひょんなことからペットショップで働くことになり、そこで見た白ハリネズミと腹話術をするという内容です。
先日、マツコの世界が干し芋とハリネズミだったのに、見損ねたーーー。
上記でディテールが甘めと記しましたが、普通の女子が一人暮らししたら直面するであろう、お金の問題などがリアリティがあって、何とかそれと折り合いをつけていく所とか、
ずっと実家住まいで、お金がない!という経験をしたことがない私は、コノカの方がよっぽど大人だわ・・・と思ったり。
私がおばさんになった証拠なのか、P88(全P270)から泣いていて、最後の一行は、林真理子の葡萄が目にしみるを思い出した、瑞々しい一文でした。
葡萄が目にしみるの方は、瑞々しさと同じ量の毒々しさが混ざり合ってますが。
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最近の女性作家の本って、著者の気持ち(場合によっては主義主張思想全部)やここ大事!みたいな部分を、登場人物に全部、話させ傾向が強いように感じていて、
個人的に鼻白むのですが、この本はエロだけど、その辺り、品を感じました。
日本舞踊の家元の娘として生まれ、物心ついたときからずっと流派のイメージを守らなければと思っていて、
家元である母とは師弟関係の方が強く、我を出したり甘えたりすることを控えていたヒロインが、
ウミウシの帯留めをして母親に、「これ、どう思いますか?」と聞くシーンが良かった。
結婚して夫のあれこれを受け入れたり、甘えたり甘えられたり、
幸せな結婚で人の憎悪を受けたりして、あぁ自分が勝手に枠を作っていたんだなぁと気づく前ふりなのですが、
よいなぁと思いました。
がしかし!、この本の夫の康政さんも、コノカの同僚の星村君も、めちゃくちゃ大人びているというか、
嫌な言い方をすれば、女性が生み出した理想的な男性です・・・。
理想的というか、女性の心の機微を悟ってくると言うかね。そういう人がいてくれたら、喪女がかなり幸せになれると思うんだけどね。
大失敗して痛い目みないと対男性とのお付き合いの経験値はあがらないように思うのですが、
若い娘さん方は、人を好きになって欲しいよなぁと思います。
少子化は由々しき問題ではあるのですが、政府が年金やその他諸々の社会保障制度が崩れるから子供産め!言ってくるのなんて、無視です!!!
今までのモデルケースに当て嵌める必要ないので、好きな人と一緒にいて欲しいものです。
その相手を見つけるのは、どんなタイミングで現れるかなんて人それぞれですが、それでも若い頃の方が出会いやすいのよ、シンプルに。
どうか、皆様にいいご縁がありますように。